10月8日に第5回「『巧の日記』を読む」を行いました。
今回は、大正11年10月の日記でした。
10月の『巧の日記』は、忙しく過ごしている様子が伺える内容です。
柳宗悦や富本憲吉と一緒に出かけ、夜遅くまで
行動を共にしている姿が見えます。
柳と出歩いたこと、富本と夜遅くまで語り合ったことなど、
とにかく「愉快」だったようです。
独り身となった男性の身軽さや気安さ、
巧の生来の気質が人を呼び寄せるのか、
たくさんの友人に囲まれての、賑やかで楽しい生活。
その一方で、柳たちとの展覧会の仕事や江原道の窯跡調査など、
日々忙しく過ごしていたため、10月の半ば頃は
日記を書かない日が続いたりしています。
その理由として、日記を書くことは
「反省と祈祷の時間だから他人が居ると妙にその気になれない」
と記している巧。
「反省と祈祷」という言葉は、『巧の日記』の本質を表す的確な表現です。
一人静かに己を振り返りながら日記に向き合う。
巧が、日記を書く目的を自覚していることが分かります。
次回11月19日は、いよいよ本年度最後の「『巧の日記』を読む」です。
『巧の日記』は読みこむほど面白くなっていくので、
まだ講座にいらしたことがない方にも是非読んでいただきたいと思います。
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大変申し訳ありませんが日程変更のお知らせです。
講師の都合で、当初お知らせいたしました日程の11月12日(土)ではなく、
11月19日(土)13時から開講しますので、お間違えのないようにお願いいたします。