5月21日(土)、4回目のほくと先人室<連続講座>は、1950年代から「南アルプスを国立公園に」と奮闘した古屋五郎(1910-94)です。
講師は、日本山岳会員で現役小学校長の矢崎茂男氏。甲斐駒の写真や実際に古屋氏が整備した登山道を地図で示しながらの講座でした。初代白州町長でもあった古屋五郎の生涯を40名の人々が聴き入りました。
国立公園指定を願ったのは、国土の乱開発から山を守るため。
十代から甲斐駒ヶ岳などに登頂し、登山道・山小屋の修復・整備・開設に尽力してきた古屋は、生涯南アルプスを愛し続けた人。
「物を言えない一本の木、一本の草の声なき声を聞くようにしなければならない。」
「山小屋の経営は、北アルプスのようであってはならない。外見はみすぼらしくとも、中味を充実させて、登山者とのふれあいを大切にしなければならない。礼儀と感謝を登山者と分かち合う、そういう山小屋をつくってほしい。」
次回の<連続講座>は、6月11日(土)「三枝雲岱~明治山梨画壇、南画の白眉~」と題して、美術史研究者の飯野正仁氏にお話していただきます。